産後復帰率100%!
『女性が働きやすい会社』と言われる元になった経験とは?

2016.07.13 Wed

私が子育てをしている中で、大変だったことはたくさんあり、今でもその多くを鮮明に覚えています。

・生まれたばかりの子供を抱えての起業

私の場合、次男が生まれた年に創業しましたので、次男0歳、長男2歳、長女が7歳でした。
子供達の面倒を見てくれる人がいたら随分と状況は違ったかと思いますが、我が家は核家族でしたので、保育園、学童保育をフルに活用し、延長保育でも間に合わない時や、病気が長続きする状況の時には、ご近所の年配の主婦の方にお願いしてみていただいたりと、あらゆる可能性を探りながらの子育てでした。
 
会社が軌道になかなか乗らない中、夫が仕事をしていた会社が県内でも3本指に入る大型倒産。家族の生活を支える収入もままならない中の子育ては話し始めたら止まらないほどたくさんの『出来事』に見舞われました。
 
保育園の遠足、卒入学式、PTAの役員、授業参観、育成会、学童保育の集まりと、3人の年齢の異なる子供を持っていると、様々なイベントが目白押しで、しかも本来であれば手伝ってくれるはずの夫は外国人。日本語での会話はそこそこできても日本語の読み書きは出来ませんから、ほとんどが私の仕事でした。
 
どうにもならない時には、妹の子供の面倒を見ている実家の母にお願いをして、授業参観や入学式、卒業式などに代理で参加してもらうこともありましたが、それでも都合が悪い場合は、子供達に説明をして状況を理解してもらい欠席するしかありませんでした。
 
・周囲からの抗議
 
中でも長女が小学校の6年生の時の担任からは、私の生き方について、度々抗議を受けました。
長女が6年生だと、まだ長男が1年生。そして次男は保育園生です。長女は学校から戻ると、宿題を済ませ、4時になると次男を迎えに保育園に行き、5時に学童保育から戻る長男と一緒に3人で私たちの帰宅を待っていました。
 
愛犬のカプチーノと一緒に水遊びをしたり、3人でクッキーを作ったり、時には、夕食らしきものを作って私たちの帰りを待ったり、3人は社会を構成して、楽しい時間を共有していました。長女は家事を手伝うこと、弟たちの面倒を見ることは当たり前で、楽しいと感じていました。
ところがこの担任は、「なおみちゃんがかわいそうです。お母さんが自分のやりたい仕事のためになおみちゃんを犠牲にして、本来の小学生の生き方をさせてあげていません。」と、たびたび抗議をしてきました。
 
長男と次男が小学生になった時、育成会で問題が勃発しました。
当時女の子はポートボール、男の子は野球をして、全国大会を目指すという活動をしており、週に2回は親が監督として付き添い育成会主導の部活動をしていました。
週に二回も会社を早めに退社して、3時からの練習に付き添うというのは、到底私には無理でした。
売り上げもままならず、夫の勤めていた会社も倒産し、収入がない中、少しでも売り上げを取らなければ、生活をしていけませんでした。
 
育成会の責任者に、お当番はできないと答えると、お当番ができない親の子は、育成会の活動に参加されては困ると言われました。
育成会の目的は一体なんなのか?と思いましたが、その役員と言い争うほどのエネルギーも余っていませんでした。
子供達に、ママはお当番ができないことを伝え、謝ると、「いいよ、そんなの。俺たち興味ないし。」と4年生になる長男が次男を諭すように言ってくれました。
もちろん次男も、「うん、俺野球なんて興味ないし。」と私を気遣った発言をしてくれました。
 
でもその育成会で週末にBBQがあると、二人が二階の窓からそっとその様子を羨ましそうに見ているのを見て、本当に申し訳ないと思いました。
 
・働く女性の本当の敵
 
起業すると、途中で、簡単に辞めるわけにはいきません。
お金だって、軌道に乗るまでは、普通のサラリーマンのように毎月定期的に入ってくるわけでもありません。
私の好きで仕事をやっていると言われても、途中で辞めるわけには行かず、どんなに自分のしたことを悔いたところで、走り出した列車は止められない。
そんな状況でした。
 
その中で、申し訳ないけれどできないというと、本来、一番守られなければならない子供達に悪影響が及ぶのです。
 
働く女性の敵は、実は男性ではなく同性であることが多いのだということを、身をもって幾度となく体験させられたのを覚えています。
 
うちの会社にはたくさんの働くママがいます。そんなママ達の悩みを聞くことが度々ありますが、そんな時に、私のいろいろな経験をシェアすることにしています。
時代は異なれど、経験していることは、変わりなく、働くママ達の気苦労は昔とあまり変わらないようです。
 
少子化の日本社会を少しでもよくさせたいのであれば、女性にもっともっと社会進出してもらうしかありません。
働く女性に出産をし、仕事復帰してもらわなくてはなりません。
であるならば、働く女性の敵が同じ女性であってはならない!そう私は思うのです。

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