8歳の娘から教わった、
「置かれた状況で、いかに楽しく過ごせるか」ということ
2016.06.04 Sat私は小さかった頃、母親が大好きで、 母親の後ばかりを追っていました。
私の祖父母が病弱で、度重なる手術のため、 父も母も大変な思いをしていました。
特に祖父母両方が別々の病院に入院していた頃、 夜妹と私と二人で眠りにつかなくてはならない時、
病院から帰ってこない母が恋しくて、 泣きながら眠りについたのを覚えています。
当時私は多分6、7歳だったと思います。
私と夫はまだ長女が7歳、長男が2歳、 次男が0歳の時に起業しました。
当時ログハウスや2x4の輸入住宅をしていました。
不動産業者に勧められるがままに、土地を購入し、 建売住宅にトライしたものの、2つのうち一つしか売れず、
結局残った一棟を個人で買い取ることになりました。
私たちにとってはカナダに残してきた家を売却して、 新たに買い取る非常に重い責務の家でした。
ただ子供たちの学校や保育園の移動と家への引越しはなかなかタイ ミングが合わず、
1ヶ月ほどの間、 子供達は以前の家の近くに有る保育園と学校へ通っていました。
下の二人はそれでも保育園の延長保育を利用して、 なんとかなりましたが、
長女は学童保育が5時に終わると、一人で元の家に戻り、 ほとんどのものがなくなった空家同然のところで、
私がお迎えに行ける6時半頃まで一人で過ごさなくてはなりません でした。
タイミング的に、冬で、日が短く、 それだけでもかわいそうだと思っていました。
ある日、商談が長引いてしまい、帰りが遅くなり、 急いで保育園に下の子供を迎えに行ったのですが、
すでに7時を回っていました。
娘が待つ元の空家についたのは、7時半を回っていました。
当時、娘はまだ8歳でした。
急いで2Fに駆け上がると、テレビも何もない部屋で、 娘は鼻歌を歌いながら、
自分の好きな本を読んでいました。
うつ伏せに寝転んで、とてもリラックスした様子でした。
「ごめんね、遅くなって。」というと、「大丈夫だよ。 本がたくさんあるから。」と答える娘。
まだ8歳そこそこの娘が、何もないガランとした空間の中で、 いかに楽しく時間を過ごすかを知っているのがわかった時、 その娘の強さに感銘を受けました。
私が娘と同じ年齢の頃、 私はただただ家に戻らない母のことを思って涙していたのに、
娘は、自分の置かれた状況の中で、楽しみを見出し、 時間を有効に過ごせていたのを見て、『 きっとこの子は私以上に強く明るく生きていく術を持っているに違 いない。』と確信したのが昨日のことのように蘇ります。
今その娘と一緒に仕事をし、次世代へのバトンタッチを考え、 たくさんの心配事がある中で、
ふとその頃のことを思い浮かべました。
そして、当時の娘の強さを思うと、私が心配するまでもなく、 彼女ならしっかりとやっていけるはずだと気付きました。
その娘の真の強さを信じて、大丈夫だと思うと、 気持ちがふと明るくなるのを感じました。
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