なぜ84歳まで元気だった母が、急に老いたのか?北欧流・健康寿命の延ばし方

2025.06.14 Sat

忙しい毎日を送っている方ほど、自分の“老い”について考える機会は少ないかもしれません。でも、私の母の姿を見て、健康寿命の大切さを改めて実感した出来事があります。

母は85歳近くまで、本当に元気そのものでした。84歳頃までは、妹の家族と同居しながら、夕食を作ったり、買い物に自転車で出かけたり、時には自転車で駅の向こうまでビーフシチューを食べに行ったり。お琴も得意で、日々を楽しんでいる様子でした。

ところが——。

妹が早期退職して家にいるようになり、母の役割だった夕食作りを担うようになった頃から、少しずつ母の元気がなくなっていきました。キッチンに立つことも減り、体調不良を訴える日が増え、通院の頻度も上がっていったのです。

私は、その変化の背景には「老人性うつ」の影があったのではないかと感じています。

その後、母は夜中にトイレへ起きた際に転倒し、背骨を圧迫骨折。コロナ禍で面会もままならず、退院後は介護施設での生活となりました。今では月に2回の面会が許されており、母の好きな食べ物を持参して20〜30分ほど顔を見に行っています。


(元気な頃の母:お琴がとても上手でした。)

厚生労働省のデータによれば、日本人女性の平均寿命と健康寿命には約10年の差があります。この「最後の10年」は、病院や介護施設で過ごす方が多いのが現実です。

でも本来、年齢に関係なく「自分で決めて動ける人生」を持ち続けたい——そう思うのは、誰しもが願うことではないでしょうか。

母の姿から感じたのは、「自分の役割」や「生活の中での楽しみ」が心身の健康を保つカギだということです。北欧の高齢者たちは、自分の趣味や人とのつながりを大切にし、社会と関わり続けることをとても重視しています。

今日からできることは、小さな「役割」を生活の中に持ち続けること。料理、散歩、誰かのために何かをする——そんな些細なことでも、心の活力を生む源になります。

人生100年時代。
大切なのは、ただ長く生きることではなく、「心も体も元気でいられる時間」をどれだけ長く持てるかです。

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