1ドル156円の海外で痛感した変化。「本物の価値」を見極める働き方と豊かさ
2026.01.24 Sat久しぶりに、海外の展示会へと足を運びました。 空港に降り立ったときの独特の空気、そして会場の熱気。やはり現地に身を置くということは、何にも代えがたい情報量があるものです。

今回訪れたのは、ドイツで開催された繊維業界の大きな見本市「ハイムテキスタイル展」。 色とりどりのテキスタイルや新しいデザインに触れる高揚感の一方で、今回はこれまでとは少し違う、肌を刺すような「風」を感じることになりました。
皆さんもニュースで耳にされているかと思いますが、為替の影響は想像以上に大きなものでした。 1ドルが156円、1ユーロが160円を超える世界(※執筆時点)。 単純に物の値段が変わらなくても、私たち日本人にとっては、為替レートだけで一年前と比べて20%以上も価格が跳ね上がっている計算になります。
そこに加えて、原材料費の高騰、輸送コストの上昇、梱包資材の値上げ……。 現地のバイヤーたちと顔を合わせると、「これはもう、企業努力だけで価格を維持できる枠を超えているね」という、ある種の諦めと覚悟が入り混じった言葉が交わされます。 まさに、強風の向かい風の中に立っているような感覚です。
さらに驚いたのは、展示会そのものの変化でした。
コロナ前であれば、この時期はケルンの家具見本市や、ドモテックスという敷物の展示会などが並行して開催され、私たちバイヤーは街から街へと忙しく回遊したものです。 しかし今回は、それらの展示会が開催されないという事態に。出展者が十分に集まらなかったのが理由だそうです。
その分、ハイムテキスタイル展へ流れてきた出展者もいるようですが、全体としての来場者数は減っている……それが、会場を歩いていて肌で感じる正直な印象でした。
日々、日本にいても世界情勢の変化はニュースで流れてきます。 けれど、こうして海を渡り、ガランとしたスペースや価格表の数字、そして人々の表情を目の当たりにすると、漠然としていた「世の中の変化」が、圧倒的なリアリティを持って迫ってきます。
世界は今、大きな曲がり角にいるのかもしれません。
ただ、危機感が高まるのと同時に、私はこうも思うのです。 「安くて良いもの」が当たり前だった時代が過ぎ去り、本当に価値あるものだけが残っていく時代が来たのではないか、と。
向かい風の時ほど、私たちはしっかりと足を踏ん張り、何が自分にとって大切なのかを見極める目が養われるのかもしれません。 厳しい風の中で感じたこの感覚を、これからの仕事や、日々の暮らしの提案にどう生かしていくか。 帰りの飛行機では、そんなことを静かに考えていました。

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