アルツハイマーで感じる健康寿命の大切さ

2024.06.12 Wed

ずいぶん前の話になりますが、テレビのドキュメンタリー番組でアルツハイマーの特集をしていました。
番組名は定かではないのですが、アルツハイマーでだんだんと記憶を無くしていく過程の家族の様子が放送され、ある意味本当に考えさせられる番組でした。

特にだんだんと薄れていく記憶の中で、主人公の男性は不安を感じ、ひたすら妻が帰宅するのを待っている。
妻は妻で、夫のことが心配だけれど、仕事に行かないと食べていけないからパートに出かけていく。
心配で家に電話をするも、音のする受話器を手に取ったものの、主人公の男性はその受話器をどうしたらいいかわからない状態が続く。
撮影してるカメラマンが手を添えて、受話器を耳に当て、妻との会話に顔が緩むという、なんとも切ない状況が今でも記憶に残っています。

そこから半年後、その男性は施設に入所し、すでにほとんどの記憶を無くして虚な目で車椅子に座っている。
その横で、男性の長女が
「一番かわいそうだったのは、記憶がだんだんと失われていく中にある父の姿でした。不安で不安でどうしていいのかわからない。今の父の状態を見ると悲しい思いはありますが、あの時の父の不安や恐怖を思いやると、こうなってしまってよかった」
という話をしていたのが私の中に残りました。

先日暫くぶりに私を訪ねてきた友人と5年ぶりに再会しましたが、最初から最後までなんとなく違和感を覚えることが多いミーティングでした。

同じことを繰り返し繰り返し話の中に持ち出したり、その数日前に会う約束をした時にメールでやり取りしたことをすっかり忘れていて「聴いていない」と言ったり、次の日には私の会社の名前を忘れてしまい、問い合わせてきたり・・・名刺もちゃんと渡してあるのに・・・
そういうやりとりの中で、このドキュメンタリーのことを思い出しました。

特に一人暮らしだとその変化を指摘してくれる人もいないわけで、医者に相談して進行を遅らせることもできないのではないのか?と思いました。

人生100年時代と言われていますが、健康人生100年時代でなければ、長生きも逆に悲惨なものになるかもしれません。
老いは必ず訪れるものですから、健康に気を遣って過ごしていきたいですね。

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