シドニーの世界遺産・オペラハウスの誕生秘話
2022.12.14 Wed今回のオーストラリア訪問でとても印象に残ったのが、シドニーのシンボルである世界遺産・オペラハウスです。

ジェトロの輸入専門家として2回目に派遣された年、オセアニアと北欧の両方を担当するという大役を担うことになり、最初に北欧諸国を巡り、一週間日本に帰国して衣替えをし、そのままオーストラリア、ニュージーランドに向かいました。
その中で最も離れた大陸のつながりを感じたのが、デンマークのヨーン・ウオッツ記念館でした。
デンマーク、ユトランドにこじんまりとした記念館で、現地のドライバーさんが連れて行ってくれたのです。
そこにはウオッツ氏がオーストラリア・シドニーのオペラハウスの設計を始めた頃の原案が残っており、とてもシンプルかつ荘厳に展示されていました。
オペラハウスの設計にあたり、世界中から原案を集めてコンペを開き、満場一致で選ばれたのがヨーン・ウオッツ氏の設計図です。
2年間で完成すると思われたこの建物は非常に難しく、材料にもこだわりがありました。
正確さを求めたヨーン・ウオッツ氏とオーストラリア政府は衝突を繰り返し、建築半ばでヨーン・ウオッツ氏は解雇され帰国してしまいました。
屋根の美しいフォルムなどは全てウオッツ氏が完成させたものですが、途中からはオーストラリアの建築チームが内部を仕上げる形になり、あの美しいフォルムの屋根と、内部の建物は実際にはつながっていません。

1973年に完成したこのオペラハウスですが、ウオッツ氏は完成記念パーティーには招待されたものの、出席しなかったそうです。
彼のように緻密な設計士にしてみたら、プロジェクトの途中から他の人が自身の建物に手を加えるというのは、許せない行為だったのだと思います。
ただ、今ではウオッツ氏の息子さんがオーストラリア政府と和解をし、今現在修復を必要とするオペラハウスの工事に携わっているということです。
ちょっと嬉しい事実だと思いました。
今回は湾内クルーズなどもするチャンスがあり、改めてその美しさに魅了されました。
ウオッツ氏の記念館にも行ったことは、私にとってとても誇らしい思い出です。
関連記事
-
海外旅行中のアクシデント、どうする?ポルトガルでの実体験から学んだこと
あなたは、海外旅行中にケガをしたらどうしますか?旅先の見知らぬ国で病院に行くことを想像すると、少し不安になりますよね。 私は今回、ポルトガル北部の町・ギマライン…
2025.10.18 Sat / WORK&STUDY -
「18歳と81歳の違い」は?ユーモアある生き方のヒント
思わず吹き出すような文章を読んだことがありますか?実は先日、81歳になる大先輩から届いた一枚のコピーに、私は声を出して笑ってしまいました。 そのタイトルは『18…
2025.09.27 Sat / WORK&STUDY -
1クラスに1人? 見過ごされがちな『ヤングケアラー』とは
「ヤングケアラー」という言葉をご存知でしょうか?小学生から高校生、大学生まで、学校に通いながら家族の介護や世話を担う子どもたちのことを指します。 実はその背景は…
2025.09.24 Wed / WORK&STUDY
芳子ビューエル公式Facebookページ
北欧流ライフプロデュース術を発信していきます。
「いいね!」をお願いいたします。