外国で暮らす日本人の「老後の人生」

2022.09.17 Sat

小さな頃から海外に憧れていた私は、ひょんなことからカナダに留学することになり、通算8年半ほどブリティッシュコロンビア州の大学で学び、現地で仕事もさせてもらいました。
その後JETROの輸入専門家として北米、オセアニア、ヨーロッパへ派遣、さらにASEANセンターからの対日輸出アドバイザーとしてアジア諸国に派遣していただきました。
こうして多くの国々の素晴らしい産業に触れることができたのは、人生の財産です。

同時に、留学、または結婚等で海外に渡り、そこに根を張って生きて行くことを選択した多くの日本人とも知り合いになりました。
そこには色々な人生があり、帰国したい、または日本に生活の基盤を移したいという人も何人もおられました。
ただ再就職が難しい年齢になってくると、帰国を検討するにあたって最初に考えるのが実家のことのようです。
実家があればひとまず一旦実家に身を寄せて、これからの日本での生活の準備をするのでしょう。
ただ、お母さんやお父さんが亡くなってしまうと、兄弟のところにはその家族もいるので、なかなか肩身が狭くて世話にはなれないと感じるようです。そして帰国のタイミングを失ってしまいます。


(カナダ人と結婚しカナダに移住した清水ナオミさん、カフェを20年ほど運営。今はリタイアしてカナダに在住)

また年金制度の良い国に長年住んでしまうと、あまり年金をもらえない日本に戻ることは考えられないという人達もいます。
デンマークに住んでいる大日さん(元JETRO職員)は、日本人会のボランティアとして一人で生活しそこで老いていく日本人の晩年のお世話をしています。
ご自身も「いつの日か一人で同じような生活をすることになるので、お互い様よ!」とおっしゃっていました。


(コペンハーゲン在住の大日さん左 今はデンマーク人のご主人とコペンハーゲン在住)

リゾートで働いている日本人の場合、家具付きの住居が与えられ、食事もリゾートで提供され、ユニフォームも提供されるため、生活する上で必要なことを全く考える必要がないまま年を重ねてしまいます。
50代に突入したモルディブのダイビングインストラクターのカップルが、
「リゾートは働ける間は良い場所かもしれないが、いよいよリタイアを考えなくてはならない年になると、厳しい現実がそこにあるのだ」
と話していて、その不安を理解しました。


(美しいモルジブのリゾートのサンセット・この美しい風景の中にいると現実と向かい合いたくなくなるのかも)

日本で生活しているから快適で安心・安全の生活が送れるという時代ではなくなりつつありますが、世界中どこで生活をするにせよ同じことなのかもしれません。

いずれにせよ、若いうちは多くの選択肢がありますが、年齢が上にいけばいくほど選択肢が狭まるのは事実。
老いた時にどのように生きていくのか、きちんとイメージして過ごしていくのも大切だと感じます。

 

関連記事

  • うらやましくなるフィンランドの少子化対策

    フィンランドは北欧諸国の中でも子育てに手厚い制度が整っていることで知られてきましたが、近年出生率が下がっているというニュースを聞くようになりました。 女性がキャ…

  • ケンタッキーフライドチキン・カーネルサンダース氏の裏話

    テレビを見ていると、よくケンタッキーフライドチキンのコマーシャルが目に止まります。 ケンタッキーフライドチキンの生みの親であるハーランド・デイヴィッド・サンダー…

  • 献血は社会的責務?北欧諸国の献血事情

    私の知り合いに、以前家族が手術を受けた際、血液が足らなくて大変な思いをした人がいます。 彼はそれ以来、毎月一回は必ず献血に行くようにしているそうです。 スウェー…

芳子ビューエル公式Facebookページ

北欧流ライフプロデュース術を発信していきます。
「いいね!」をお願いいたします。