日本の昔話をモチーフにした叔父の愛しい絵たち

2022.09.05 Mon

叔父の五十嵐健二氏(昭和18年生まれ)は造形作家で、生涯通じて非常に面白い活動をしてきました。
武蔵野美術大学を卒業後、五関張り子の蓮見豊七氏に従事し、その後は大宮市立博物館の張子の復元作業に携わり、昭和42年から本格的に針子人形の製作を開始します。
学生の頃から英会話が得意だったので、張子作家として日本全国のデパートやギャラリーで展示会を催すだけでなく、アメリカのカリフォルニアやニューヨークでも張り子を広めてきました。
(財)日本工芸館民芸部門最優秀賞ほか多数の賞を受賞し、著書も多く、「月刊浅草」には毎月エッセイを漫画入りで掲載しています。

以前から叔父の作品が好きで、展示会で気に入った絵があれば購入させてもらいました。
叔父の絵は、日本昔ばなしや日本の民話、童話をモチーフにしたものが多く、
「オジがこんな可愛らしい絵を描くんだ〜」
と驚くことが多かったです。

その叔父が、ある日
「芳子ちゃん、俺も歳をとってきて、体の調子も良くないから、俺の絵をもらってほしい」
と言ってきて、最初に送ってくれたのが『笠懸地蔵』の絵です。
日本昔ばなしの中に出てくる日本の伽話の1つで、親切を施した無欲な善行者に思いがけない福運が舞い込むという話です。
苔寺でとっても可愛らしいお地蔵様のお香立てを見つけ購入して大切にしていた私は、そのお香立てと傘がけ地蔵の絵を一緒に床の間に飾りました。
お地蔵様のモチーフが共鳴しあって、素敵なスペースを作り出しています。

そして先日、美味しいトウキビとだるま芋を北海道から送ったら
「お礼を送るよ」
と言って『花咲か爺さんと七福神の宴』の絵を送ってくれました。
桜を満開にしている楽しそうな花咲か爺さんと、桜の木の下で宴会をしている七福神が描かれていて、お酒に頬を染めた神々の笑顔が素敵です。

この作品は、今年8月に大阪の三越での展示会に向けて作った作品です。
ところがコロナ禍になり、高齢になった叔父の健康を考えて、主催者側から今回は見送りという連絡が来たそうです。
叔母もとても気に入っているというこの絵を、叔父は
「おめでたい楽しい絵を、飾っておくれ」
と送ってくれました。
これからも叔父の気持ちを大切にしていこうと思います。

 

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