取引先から「魔女」と呼ばれて
2020.11.28 Sat会社を卒業し、取引先の方々からお手紙がたくさん届きました。
どれも心打たれるものばかりで、Nさんからの手紙もそうです。
Nさんとは長いこと、組み立て式の木製事務机を一緒に輸入していました。
彼らは日本の顧客(大手文具通販会社)の窓口、私たちはデンマークのメーカーとの調整役でした。
ヒートアップするミーティングを何度も何度も重ね、デンマークと日本の考え方の違いを少しでも埋めて、お互い仕事がしやすくなるよう努力をしてきた仲間でした。
あれだけ議論をしても普通にお付き合いできているのが不思議なくらいで、まさに戦友のような存在です。
例えば組み立て式の家具についてくるビスやナットという金具について。
デンマークの工場は1秒に4台の家具を作るフルロボタイズの体制で、とにかく時間短縮と効率化を重視しています。
安全な金具の重さを測り
「最低限の重さをクリアしていれば必要な金具は十分にある」
という考えです。
日本はとにかく几帳面なので、必要数のビスやナット以上にパーツが入っていると、お客様は残った金具を見て
「どこかに取り付け忘れたかな?」
と不安に思います。
どちらもよくわかるだけにこの溝をどう埋めればいいのか悩み、Nさんとはたくさんの議論をしました。
Nさんは私との白熱したやり取りを踏まえ、お手紙の一文目には
「僕はビューエルさんが足を折ったと聞いて『魔女も足の骨を折るのか?!』と思いました」
というジョークがしたためられていました。
『魔女』と呼ばれたのは初めてですが、親しみを込めた表現だと受け止めています。
通算7年間ほど一緒に仕事をさせていただいた当時のことを面白おかしく思い出し、懐かしい思い出に思わず声を上げて笑ってしまいました。
色々なプロジェクトに関わることができた前職は、経験が豊富になっただけでなく、たくさんの素敵な方々と出会えることができた心豊かな経験だったとつくづく思いました。
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