父の病室から見た花火の思い出
2019.08.07 Wed先日、花火大会に行きました。
暑くて風がない中、雨も降らず、目の前で上がる花火を堪能できました。
いつも花火が上がるのは烏川の河川敷。利根川の支流に当たるところです。
小さな頃は花火の音が怖くて、祖母の背中に隠れるようにして遠くから花火を見ていました。
小学生くらいになると、妹と二人で花火が見える場所を探すようになり、中学生くらいになると友達と一緒に浴衣を着て行きました。
そして今、花火を見上げるたびに思い返すのは、亡くなった父のことです。
父が最期に入院していたのが高崎医療センターで、まさしく烏川に面した病室にいました。
ちょうど今の時期、
「あと何日持つかわからない、時間の問題だ」
と言われ、ほぼほぼ意識のなかった父は、最後に体の中に残ったエネルギーを全て燃やすように高熱を発していました。
父の誕生日は8月31日。6人兄弟の末っ子でした。妹が
「きっとお盆におばあちゃんとおじいちゃんがお父さんを連れて行くと思う」
と言っていたのですが、父は本当に送り盆の8月16日の早朝に旅立ちました。
父の最期の日々は、家族で代わる代わる付き添っていました。
そして花火大会の夜、妹と交代するときに、綺麗な花火が目の前に見えて
「わ〜綺麗!」
と思わず口から声が出たとき、不思議な感覚に囚われました。
自分にとって大切な人が今この世を去ろうとしているときに、花火が上がり、それを美しいと感じる自分がいる。
なんだか感情が行ったり来たりしているような、そんな感覚でした。
昨日の夜も大玉花火が上がって、その音が体中に響くのを感じながら、その時のことを思い起こしていました。
みなさんは、花火にどんな思い出がありますか?
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