一人前の経営者になるための試練
2017.11.18 Sat起業したての頃は色々な勉強会に顔を出して、先輩方には経営上の問題点やら、税理士の先生などには資金繰りや銀行との対応など教えていただいたり、同期の経営者の人たちとは、一緒に飲んだり食べたりしながら本音を吐き出しストレスを解消したりと、交流を重ねていました。
とはいえ、資金が足りない、支払い遅延の先がある、トラブル発生しそうな案件があるなどの問題は、誰かに助けてもらえるわけではありません。
自分自身で向き合うしかないのです。
経営者としての経験が浅い頃は、どんなトラブルでも大きく感じ、押しつぶされそうになることが多々ありました。
逃げ出したいことも多く、「いないと言って」と事務の女の子にお願いして電話に出ないこともあったくらいです。
それくらいひとつひとつのことが大きく重くのしかかっていて、いつも頭の上に大きな黒い雲が立ち込めているような気がしました。
その頃の私は自分を『机の下にもぐりたい症候群』と称して、できるだけコミカルに表現しながらも、スタッフのみんなに自分の状態をわかってほしいと思ったものです。
そんなある日、今までにないくらい大きな問題に遭遇し、勉強会で親しかった先輩の経営者の方や同期に助けを求めたことがあります。
輸入したログハウスの建て方指導まで終了しているのに、いちゃもんをつけて支払いを遅らせている取引先が、支払わなくて良いように難癖をつけてきたのです。
私たちを何度も怒鳴りつけてくる相手に対して、お金の回収はもちろん、どう対応したら良いのかわからなくなりました。
しかもあまりに怒鳴られるので、恐怖を感じました。
人に助けを乞うのは、その時が初めてでした。
でも、多くの人は色々な理由をつけて「助けられない」と言いました。
その時「中小企業の経営者は、皆小さな小舟に乗っているんだ」と思いました。
助け合いたいけれど、そこまでのキャパがないのです。その人を乗せたら、自分の船まで転覆してしまうかも知れない。
唯一できることは、声をかけて、仲間の船にエールを送るだけ。
そう思った時、一人の先輩が「一緒に行ってあげるよ!」と勇気をくれました。
もちろん勇気をもらったら元気も出て、一人で対応できたのですが、つくづく「立派な経営者になるためには多くの試練があるものだ」と心と刻まれた経験です。
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