なくてはならない仕事の必需品
2017.10.25 Wed
ある朝、会社で仕事の準備をしている時に、ふと手が止まりました。
新しく素敵な電卓を常に机の上に置いているものの、私が本当に使うのは、古い古いCASIOの電卓 DS-20。
この電卓には深い思い出がつまっているのです。

創業時、社員はまだ私と私の友人の二人だけ。
何もわからない私たちが、机と椅子を購入し、電話を手配し、次に買ったのがこの電卓でした。
当時の貸しオフィスも、シンプルで何もないオフィスでした。
この電卓は私たち二人にとって、一人前になるためのツールのような存在だったのです。
当時はログハウスや2×4を輸入するという仕事をしていました。今からは想像もつきません。
よく見積書を作っていたので、その度CASIOの電卓を叩いていました。
私が会社を立ち上げた時に手伝ってくれた友人は、若くして亡くなってしまいました。
ですから当時のことを思い出してシェアする相手はもういません。
固定電話などはリースの期間が終わろうとする頃間違いなく壊れるのに、このカシオのDS-20は28年たった今でも現役です。
この電卓の裏を見ると、最初のオフィスとその次のオフィスの古いシールが貼ってあります。
目にするたび、懐かしい気持ちでいっぱいになります。
テレビの番組で、『巨匠の銘品』という番組があります。
もしその番組が取材に来てくれたら、きっと私はこのCASIOのDS-20を迷わず紹介することでしょう。
派手なところはないけれど、無ければ困る縁の下の力もち。
人間性も同じで、そんな人こそ大切にしたいと思いました。
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