チューブ派だった私が虜になった「わさび専用アイテム」

2025.05.17 Sat

先日、白馬を訪れた際に立ち寄った山葵農園で、生わさびと一緒に、わさび専用のおろし金を購入しました。

おろし金には大きく分けて二種類あります。一つは金属製の一般的なタイプ。もう一つは、木製の台にサメ皮を貼り付けた、昔ながらの伝統的なおろし金です。
私が選んだのは後者。木の土台にサメ皮が丁寧に貼られた「鮫皮おろし金」と呼ばれるものです。

この道具の起源には少し素敵なエピソードがあります。
もともとは江戸時代、宮大工が木材の表面を繊細に仕上げるためにサメ皮を使っていたのだとか。
その技術にヒントを得て、料理人たちがわさびを細かくすりおろすための道具として応用したのが始まりだそうです。

サメ皮(実際にはエイの皮が使われることも多いそうですが)は、ザラついた質感を持ち、人間の歯と同じエナメル質で構成されています。だからこそ、わさびの風味や香り、そしてなめらかな食感を最大限に引き出すのに適しているとされています。

この「鮫皮おろし金」は、和の料理道具としては非常に繊細で上質な存在。
まさに、日本の食文化が育んだ“美しい道具”のひとつだと感じます。

これまで私自身、自宅では市販のチューブ入りのわさびを使うことがほとんどでした。
過去に2度ほど、高級蕎麦屋で生わさびと小さな金属製のおろし金が添えられ、自分ですりおろしていただいたことはありますが、「鮫皮おろし金」でいただくのは今回が初めてです。

これを機に、もっと丁寧に「本物のわさび」を味わってみたくなりました。
そして、その味わいだけでなく、わさびが持つさまざまな健康効果にも注目しています。

たとえば、わさびに含まれる「イソチオシアネート」には抗菌作用、消化促進、抗酸化作用があるとされ、最近の研究では、がん予防や動脈硬化の予防にも効果が期待されているそうです。

“すりおろす”というひと手間が、味を変え、体を整え、心に余白を与える。
そんな感覚を、日常の中に少しだけ取り入れてみるのも良いかもしれません。

皆さんも、ぜひ一度、生わさびを本物のおろし金でおろして、味わってみてはいかがでしょうか?
きっと、その豊かな風味に驚かれるはずです。

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