部下も上司を人事評価する会社にした理由
2016.06.11 Sat私の会社では、以前から賞与は現金で渡す習慣があります。
賞与支給時にそれぞれのスタッフを呼び、 面談をするチャンスでもあります。
それに先立って、各スタッフの査定をします。
各部課長がスタッフを査定するわけですが、 ある時一人の課長がかなり厳しい査定をしていると感じました。 それと同時にその課長自身、 ちょっと問題があると感じていたので、何か良い方法がないか? と考えていて思いついたのが、 上司査定を部下がしたらどうなんだろう?と思いました。
上司は部下に対して言いたいことをほとんどの場合言えますが、 部下は上司に対して言いたくても言えないという状況が多々あると 思います。
無記名にし、しかもコンピューターからのプリントアウトなら、 筆跡もわからず、誰が書いたか上司もわかりません。 取締役の机にクリアーファイルを用意しておいて、 そこに期日までに査定を入れるようにしています。
各部課長にそのフィードバックを見せたところ、反応は、 まちまちでしたが、ある課長がこう言いました。
「何を言われたところで、『ああ、そういう意見もあるんだな。 でもだから何?』と思いました。」と、 ちょっと小馬鹿にしたようにコメントしました。
その課長の言葉を聞いて、 ある意味私はまた違ったショックを受けました。
聞きたくないこと、自分への評価を、簡単に、『だから何?』 といういかにもバカにしたような一言でバッサリと切り捨てる、 これはとても危険なことです。
「ねえ、もっと謙虚になろうよ。 自分の聞きたくないことを言われたら、『だから何?』 と思ったのでは、何の進歩もないと思う。やはり上に立つ人は、 もっともっと謙虚でいることを意識しましょう。」と諭しました。
そして、「もしもあなたの部下が、あなたの言うことに対して、『 あ、そう、だから何?』と言ってしまったら、 部下には何の成長もないよね」と。
そういうやりとりを何回か経験するうちに、 今では上司も部下もお互いについてお互いの評価をすることは有益 だと感じ始めています。
時には、 部下の経験値の浅さから上司のよかれと思った配慮を理解できない ための批判もあります。でもそういうことも含め、 部下の真意を知る機会というのは、 とても有益だということがわかりました。
関連記事
-
「笑い」と「学び」が人生を変える?北欧流ウェルビーイングと落語の贅沢な午後
実は、「笑い」が人を幸せにする力は、北欧でも日本でも変わりません。先日、あいにくの雨模様の土曜日に「講演会と落語の心笑うアフタヌーン3楽章」が開催され、約300…
2025.07.01 Tue / WORK&STUDY -
なぜ、大人が「子どもの世界」に入り込んでしまうのか?
忙しい毎日に疲れたとき、私が思い出すのは、幼稚園のバザーで起きたある出来事です。 ある年のこと。地元の幼稚園から「バザーで子どもやお母さんに喜ばれそうな商品を出…
2025.06.04 Wed / WORK&STUDY -
エール大卒の精神科医に教わる、“魂の記憶”の話
30年以上前に、ある一冊の本に出会いました。 タイトルは『前世療法』。著者はアメリカの精神科医、ブライアン・L・ワイス博士。 当時の私は、その内容に衝撃を受け、…
2025.05.24 Sat / WORK&STUDY
芳子ビューエル公式Facebookページ
北欧流ライフプロデュース術を発信していきます。
「いいね!」をお願いいたします。