幼い子どもの不思議な感受性

2018.05.05 Sat

幼いころ、実家の縁側に横になった時に真上の空を仰ぐと、説明のできない不安に襲われたものです。
昼間空に浮かぶ月が白く、その側に浮かぶ雲が風でどんどん吹かれていく。
その様子を見ると、小さいながらも「この光景はずっとずっと永遠に続いていく光景なんだろう」と思いました。

私は小学校の低学年の時、祖父の死を身近で看取りました。
おじいちゃんは亡くなり、体は焼かれ、そのお骨はお墓の石の下に埋められてしまった。
そう思うと、
「お月様も雲も空も何も変わらないこの永遠の時間の中で、私も大人になり、おじいちゃんのように死ぬ時が来る。そうしたら、ずっとあのお墓の石の下に埋められて、永遠に埋められたまま何光年も過ぎていくなんて、絶対に嫌だ!」
と強い拒否感を抱きました。

死んでも自分の魂がそこにあるような気がしたために、暗く、ジメジメしたところに封印されるような錯覚を覚えたのだと思います。
しかもお寺やお墓は小さい子供にとって楽しい場所ではなく、怖い場所である場合も多々あります。

今思えば、まだ6、7歳の頃の私が、よくそんなことを考えていたものだと思います。
ただその漠然とした不安と恐怖と嫌悪感は今でも思い出します。

もしみなさんの周りに小さな子がいたら、「なんだか変なことを言っているな」と感じるかもしれません。でも、人の生死を身近で経験した時には、たとえ小さな子でも色々なことを考えるのだと認識し、決して軽んじた対応はしないであげてください。

関連記事

  • 年末年始のホテルステイで渡す「お年玉」とは

    子供達がパートナーを連れて戻ってくるようになってから、年末年始は終日お料理に明け暮れる超多忙な時期となりました。 買い出しに行っても、冷蔵庫はすぐに空っぽに。 …

  • システム手帳の思い出

    年末の大掃除の時に、昔のシステム手帳が出てきました。 いつもこのシステム手帳を後生大事に小脇に抱え、営業に出ていました。 そのシステム手帳に記載されている内容や…

  • 思わずうれしくなった母からの電話

    私の母は昭和10年生まれで、今年88歳になります。 85歳くらいまでは自転車に乗って自分の大好きなビーフシチューを食べにファミリーレストランに出かけたり、家族の…

芳子ビューエル公式Facebookページ

北欧流ライフプロデュース術を発信していきます。
「いいね!」をお願いいたします。