今までの人生で、一番美味しかったスープ

2016.03.02 Wed

寒い日は、必ずと言っていいほど、温かいものを体が欲します。
日本人である私はけんちん汁が大好きです。
自分自身が作るけんちん汁には自信がありますので、いつもたくさん作ります。
 
でもそんな私が寒い日に思い出すスープは、けんちん汁ではありません。
 
昔、オランダの会社と日本の会社の間を取り持つ仕事をしていました。
オランダ人というのは、ヨーロッパの中でも一番の倹約家として知られています。
 
とても堅実で、特別なことがない限り贅沢をしません。
したがって、レストランも夜は空いていたとしても、昼の時間帯に良いお店というのは、なかなか空いていませんでした。
 
あるとても寒い冬の日に、私たちを接待しようとしたオランダ企業の社長が、観光の合間に、いつもは夜しか空いていないレストランに特別に頼んで昼に私たちのために開けてもらったことがあります。
 
そのレストランは、林の中にありました。
寒くて寒くて震えていた私たちのために、その店の主人が用意しておいてくれたのが、スープとヒラメのムニエルでした。
 
ムニエルもとても美味しかったのは覚えていますが、特記すべきはスープでした。
 
スープ皿をテーブルに持ってきて、そこでコニャックをキャップ一杯分スープに加えてくれるのです。
塩加減も味の濃厚さも、加えるコニャックの効果を想定して作られていて、とにかくひとくち口に含んだ時の、体全体で感じた喜びと衝撃、今でも忘れません。
 
自分自身、あの時のスープを思い出して作ってはみたものの、なかなかコニャックを入れて完璧になる味加減のスープは作れません。もう少し時間を作って、あの時の感動を自ら実現させたいと、密かに思っています。
 
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