フレンドリー営業が逆に不信を生むパターン
2025.11.22 Sat最近、営業の電話に閉口してしまうことが多くなってきました。
アポイントが取りづらい状況であることは理解していますし、私自身も以前は海外で営業をしていたため、門前払いのつらさはよくわかっています。
しかし、だからといって相手を不安にさせたり、関係性を偽ったりする手法まで許容されるべきではないと強く感じます。
私の会社では、スタッフは私のことを「芳子さん」と呼びます。社内の空気感で自然とそうなっているだけなのですが、その呼び方が外部に伝わったのか、最近は営業の方からも同じ呼び方を使われることが増えています。
「芳子さんいますか?」という妙にフレンドリーな電話が続くため、スタッフも判断して、すぐには私に繋がないようにしてくれています。

しかし先日、その一線を明らかに越えている電話がありました。
「芳子さん、お約束のWeb会議に参加されていないようですが、大丈夫ですか?」
スタッフが慌てて私のところに駆け込んでくるほどの緊急性を帯びた言い方でした。
当然、私はそのような予定を一切入れていません。
念のためカレンダーを確認し、その番号にすぐ折り返しました。
返ってきたのは、
「折り返しありがとうございます。少しお耳に入れたいことがありまして」
という軽い調子の声でした。
つまり、Web会議の案内はまったくの嘘で、私を不安にさせて折り返させるための“誘導”だったというわけです。
その時点で私の携帯番号は先方に渡ってしまい、非常に後味の悪い感覚だけが残りました。
結局のところ、中身のないPRの電話でした。
おそらく、どんな手段を使ってでもアポイントにつなげたかったのでしょう。
しかし、嘘を使って連絡を取るという行為は、営業として最も避けるべき行動です。
信頼というものはゼロから始まるものですが、嘘をついた瞬間にゼロではなく“マイナス”からのスタートになります。
北欧で働いていた時期、頻繁に耳にした言葉は「相手に余計なストレスを与えないコミュニケーション」でした。
効率を求める場面でも、不安を煽ったり、関係性を偽ったりするようなアプローチは決して行いません。
短期的な数字よりも、長期的な信頼を何より大切にしている文化です。
日本でも同じだと思います。
フレンドリーさは関係性があってこそ成立するものであり、嘘を使ったアポ取りはその瞬間に信用を失います。
誠実な姿勢は遠回りのように見えて、実は最も効率がよく、最も長く続く関係をつくります。
相手の時間を奪わず、不安を与えず、必要な情報を正直に伝える——その積み重ねこそが、最終的に信頼という大きな資産になるのだと思います。
営業は確かに厳しい世界です。
しかし、どれほど環境が変わっても「誠実さ」だけは決して手放してはいけない。
今回の出来事を通して、あらためてそう感じています。
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