黒・グレーしかない?北欧の人々が“派手色”を着ない理由

2025.10.08 Wed

実は、北欧の冬の朝は“色”がほとんどありません。
雪景色の中、通勤する人々の服は…ほぼ黒かグレー。

北欧、特に都会では自転車通勤が主流です。道路も車道・自転車道・歩道がきちんと分かれていて、私も慣れないうちはうっかり自転車道を歩いてしまい、何度か怒鳴られたことがありました。整然としたルールと秩序が根づいた街並みは、まさに“北欧らしさ”そのものです。

冬になると、その風景の中で際立つのが「黒・グレー・ネイビー」の服。
コートもセーターも、帽子もスカーフも、見事にモノトーンで統一されています。

デンマークの家具会社の代理店をしていた頃、世界大会の最終日にパーティーが開かれたことがありました。私は黒のワンピースを着ていたのですが、一人の女性が真っ赤なドレスで登場した瞬間、会場の空気が少しざわついたのを覚えています。
「ねえ、あの人、恥ずかしくないのかしら?」
「きっとアメリカ人よ!」
そんな囁きが聞こえてきて、北欧の“色文化”を初めて実感しました。

デンマークやスウェーデン、ノルウェーなど北欧では、シンプルで洗練されたスタイルが好まれます。黒やグレーのニュートラルカラーは「落ち着き」「統一感」「知性」を象徴し、派手さよりも“控えめな上品さ”が美徳とされているのです。

観光や出張で北欧を訪れるときは、この“色のマナー”を意識してみてください。明るい色を楽しみたい場合は、バッグや手袋などの小物でアクセントをつけるのがおすすめ。
北欧の街に自然と溶け込みながら、自分らしいおしゃれも楽しめるはずです。

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