12年暮らしてきたパブロくんとのお別れ

2020.04.04 Sat

12年と4ヶ月一緒に暮らしてきたパブロ君(ラブラドールレトリバーのオス)が、25日のお昼に亡くなりました。
パブロ君の体調に異変があったのは、昨年の暮ぐらいからでした。
よく吐くようになり、獣医さんからは胃腸薬を処方してもらったり、膵炎の可能性の検査をしたりしていました。

症状がよくならず、今年の2月に獣医さんから「専門機関でしっかりと診てもらうように」と言われ、いわゆる大学病院のようなところで検査をした結果、全身に広がる癌だということがわかりました。
1箇所であれば抗癌剤の治療もできたのですが、あまりに広がりすぎていて治療はできず、対処療法だけを行いました。

以前アメリカのドキュメンタリー映画で、卵巣癌でなくなる女性と彼女につきそう夫との記録を見たことがあります。
まだ40代半ばの女性は体力もあり、痛みのコントロールができず、大変な最期を送っていました。
後1、2週間でなくなるという時に、ご主人は一人で病院を離れ、リゾート地で2週間を過ごすという場面がありました。
女性はリゾートから戻った旦那さんを待つように、亡くなりました。

このドキュメンタリーを見た当時、
「なぜこの旦那さんは、瀕死の奥さんを置いてリゾートに行けるのだろう?」
と理解に苦しみました。
「あまりに自己中なのではないか?奥さんがかわいそう」
そう思いました。

でも今回パブロがだんだんと弱っていく中で、薬も無理やり飲ませなくてはいけない。
なんとか食べ物を食べさせなくてはいけないと焦る中、自分がいかに無力かを感じさせられました。
パブロは警察犬のトレーニングをずっと受けていたので、トレーナーさんが最後までいろいろとサポートしてくださって本当に心強く感じましたが、愛しているものを救えないという事実は非常に重いものでした。

気持ちも塞ぎがちになりますし、安らかに逝ってもらいたいと願う反面、できるだけ長く生きてもらいたいという気持ちにも悩まされ、一体自分は何を望んでいるんだろう?と思いました。

あのドキュメンタリーの中の旦那さんがなぜ耐えきれずにリゾートに行ったのか。
それがとてもよく理解できる経験でした。

パブロは最後、ふーっと息を吐いて、眠るように亡くなりました。


アメリカ人のリンダヘンリーさんが数年前にパブロの絵を書いて贈ってくれたのが、遺影になりました。
とっても安らかで、それだけがとても救いになりました。

関連記事

  • 大変だったお弁当作りを振り返ってみたら…

    私には一人の娘と二人の息子がいて、日々お弁当を作っていた思い出があります。 朝5合のご飯を炊いて、また夜5合のご飯を炊くといった生活を長いこと続けました。 私も…

  • 高齢の母が入院して思うこと

    高齢の母が入院しているのですが、同室の患者さんがコロナに感染したため面会ができなくなりました。 右足に激痛が走ったのが12月の下旬。最後に母に会ったのは12月2…

  • 子どもにサンタを信じてもらうための工夫

    12月といえばクリスマス。 子供達が小さかった頃、クリスマスはサンタクロースの存在を信じてもらいたくて色々と工夫しました。 24日のクリスマスイブには、サンタさ…

芳子ビューエル公式Facebookページ

北欧流ライフプロデュース術を発信していきます。
「いいね!」をお願いいたします。