【本が繋ぐ豊かさ】循環する読書で整うウェルビーイング

2026.05.09 Sat

展示会と市場調査のため、ドイツ・フランクフルトを訪れています。

例年であれば厳しい寒さに見舞われる1月ですが、今回は2年に一度の新素材展示会に合わせ、美しい初夏の季節に足を運びました。

朝は5時半から、夕方は夜9時近くまで明るい空。湿度が低く、柔らかな風が吹き抜けるこの街で、私はある「素敵な光景」に出会いました。

以前もブログでご紹介した「移動図書館」ですが、今回見つけたものは、まるで大きな冷蔵庫のような不思議な風貌。小さなショッピングモールの駐車場脇に、それは静かに佇んでいました。

この図書館のルールは、極めてシンプルで合理的です。

「読みたい本を自由に持って行って良い。ただし、その代わりに自分がいらない本を、次の方のために一冊寄付する」

よく利用するというドイツ人男性に話を聞くと、彼は弾んだ声でこう教えてくれました。

「ここには意外なジャンルの本が並んでいて、眺めるだけでワクワクする。自分の読み終えた本を、どこかの誰かが喜んで読んでくれると思うと、それだけで嬉しいんだよ」

北欧のライフスタイルにも通じる「良いものを長く使い、循環させる」という思想。

4社を経営し、常に効率や成果が求められる日々の中でも、こうした「手触りのある温もりの交換」を目の当たりにすると、本当の意味でのウェルビーイングとは何かを再確認させられます。

最近は電子書籍が主流になりつつありますが、紙の感触を楽しみ、印刷された文字を一文字ずつ追う行為は、一種の瞑想にも似た「癒しの時間」ではないでしょうか。

自販機や冷蔵庫のような見た目のその空間に、車へ戻る人々がふと立ち寄り、本を手に取る。その一瞬の「心のゆとり」こそが、暮らしの質を左右する大切な要素なのです。

あなたは最近、最後にいつ、ゆっくりと本のページをめくりましたか?

自宅の書棚に眠っている一冊が、誰かの心に火を灯すかもしれません。

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