24時間戦う人へ。
頭のネジが外れる経験を。
2015.12.14 Monこれまでの私の人生を振り返ると、『24時間戦っています』 と言っても過言ではありませんでした。
妻として、母として、会社経営者として、 そして一人の女性として、とにかく精一杯努力してきました。
健康だけが取り柄だと思っていた自分の体に異変を感じたのが42 歳の時。
歯茎が腫れ上がって、その腫れが何日も引けませんでした。 ガンの疑いで、大学病院まで紹介される始末。
当時会社は急成長しており、つねに眉間にシワを寄せて、 厳しく部下を叱咤激励していました。
この頃からテレビ出演も増え、 それがストレスに輪をかけていたように記憶しています。
丁度大学病院に行く一週間ほど前に、娘が「お母さん、 旅に行ったほうがいい。少し自分を休ませてやって。」
と言うので、 人生初めての一人余暇旅行に西表島のホテルに予約を入れたところ でした。
大学病院では検体を採る必要があるといわれ、 旅行からもどったらすぐに行くことになりました。
西表島は丁度雨季で、私は4、5冊の本をデイベッドでゆったりと読むつもりで行ったのですが、
いつものエネルギーレベルから、じっとしていられず、デイトリップに参加することにしました。
ツアーの朝、外はバケツをひっくり返したような大雨でしたが、ツアーはそのまま続行。
都内から来ていた20代の男女4人と私の計5名は、雨合羽を着て帽子をかぶって車に乗り込みました。
最初につれていかれたのが、密林の中の川岸。
そこでオールとライフジャケットを手渡され、カヌーにのって幻の滝のところまで移動するというのです。
ツアーに申し込みながら、ちゃんと内容を把握していなかった私。(汗)
今まで一度もカヌーなんて漕いだことがありません。
しかもカヌーは全て一人乗り用。
「落ちたらどうするんですか?」の質問に、「だからライフジャケット着てるでしょう?」のガイドの答え。
カヌーを漕ぐこと45分 。肩こりが悩みなんて言っていられませんでした。
密林の中に西表ヤマネコといっしょに置いてけぼりにされたくない一心で、とにかく一生懸命にカヌーを漕ぎました。
やっとのことで、岸にたどり着き、そこからはじゃばじゃばと激しく流れ落ちてくる沢の水の中、幻の滝まで登っていくというのです。ここでおもむろに「自己責任承諾書」という紙に署名させられたのです。
『??!!!』ということは、つまり危険を伴うということです。
いままで手や足を折ったら番組に穴をあけるから、スキーもだめ、スケートもだめ、乗馬も危険。
と、厳しく自分自身に制限をしてきた私が、どしゃぶりの雨の中、自己責任承諾書にサインをし、足元も水で見えない沢を滝壺まで登る??!!
この時点で、『いったい自分は何をしているのだろう??』と、思うと、急に全てが滑稽に思えてきました。
(乾季の幻の滝、、、美しい糸のような滝)
約30分くらいでしょうか?やっと幻の滝にたどりつくと、 そこは『日光の華厳の滝』 のような凄まじい水しぶきをあげていました。雨量が多くて、 普段糸のように美しく流れ落ちるという滝の姿ではありませんでし た。
滝壺まで登るのは一苦労でしたが、降りるのはもっと大変で、 時間も倍かかりました。
途中で 大雨が止み、今度は太陽の陽が暑くて暑くて、 雨合羽を着ている私たちはサウナ状態でした。
そして考えたら、 帰りも自分でカヌーを漕がなくては元来たところには戻れませんで した。
このツアーこれだけではありませんでした。 西表島に4頭しかいない馬のうち、 3頭を所有しているのがこのツアーのオーガナイザー。 午後はワイルドな乗馬が待っていました。
濡れた服でまったく言うことをきかないワイルドな馬に乗った時に は、私の頭の中のネジが全て外れてしまいました。
ただただおかしくて、滑稽で。大笑いする私に引き気味なガイド。 思い出すと、今でも笑えます。
この旅から戻った時には、歯茎の腫れは全て引き、 眉間のシワもなくなり、スタッフからは、「ビューエルさん、 また一人旅に行ってください。」と言われることに。
この後は、定期的に休みをとるように習慣づけ、 結果精神的にも健康な状態を保っています。
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