猛暑日はビール離れ?35度の不思議

2026.07.04 Sat

暑い夏の日、冷たいビールが恋しくなりませんか?

北欧、特にデンマークといえば、世界的にも知られるカールスバーグを思い浮かべる方も多いかもしれません。私も「夏=冷たいビール」というイメージがあり、暑ければ暑いほどビールはおいしく感じられるものだと思っていました。

日本でも夏になると、あちこちでビアガーデンが開かれます。会社帰りに同僚とジョッキを傾けたり、友人と夕涼みをしながら乾杯したり。汗をかいた後の一杯は、まさに夏の楽しみのひとつです。

ところが、サントリーの分析によると、気温が35度を超えるような猛暑日には、ビール類の販売数量が鈍化する傾向があるそうです。

少し意外ですよね。

理由のひとつは、暑さが強くなりすぎると、ビールの「苦味」や「コク」が重く感じられ、かえって飲みにくさにつながるからだといいます。たしかに、本当に喉が渇いているときには、味わい深いものよりも、すっと喉を通る軽やかな飲み物を求めたくなることがあります。

その流れを受けて、サントリーは「すっきり」や「のど通り」を意識した夏限定のビールも展開しているそうです。ビールも、ただ「冷えていればいい」という時代から、気温や体感に合わせて楽しみ方を変える時代になっているのかもしれません。

一方で、ヨーロッパのビール文化は少し違います。

イギリスのパブでは、エールと呼ばれるビールを冷やしすぎずに出すことがあります。冷たくしすぎると、モルトやホップの繊細な香り、複雑な味わいが感じにくくなるからです。日本でよく飲まれるラガービールのように「喉越し」を楽しむというより、ワインのように香りやコクをゆっくり味わう感覚に近いのだと思います。

イギリスだけではありません。ドイツ、ベルギー、チェコなどでも、ビールは単なる「暑い日の冷たい飲み物」ではなく、その土地の文化や食事、会話と一緒に楽しむものとして根づいています。

とはいえ、私自身、暑い日にイギリスのパブへ入って、ぬるめのビールを出されたときには、正直なところ「これをおいしいと思うには、まだ修行が必要かもしれない」と感じたことがあります。

喉がカラカラに渇いているときに飲みたいものと、ゆっくり味わいたいものは、やはり違うのです。

これはビールに限らず、暮らし方にも通じる気がします。私たちはつい「夏だから冷たいもの」「暑いからビール」と決めつけてしまいますが、本当に心地よい選択は、その日の気温や体調、過ごす相手や場所によって変わります。

北欧の暮らしに触れていると、季節をただ我慢するのではなく、その季節に合った楽しみ方を見つける上手さを感じます。暑い日はすっきりと喉を通る一杯を。少し涼しい夕方には、香りを味わう一杯を。そんなふうに、自分の感覚に合わせて選ぶことも、日々の小さなウェルビーイングなのかもしれません。

みなさんは、夏のビールはキンキンに冷えたものがお好きですか?それとも、香りやコクをゆっくり味わうヨーロッパ式にも惹かれますか?

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