「死にたい」と言った子を止めた小4の勇気―今、大人ができること
2025.11.12 Wed先日、小学4年生の親戚の男の子が遊びに来たとき、忘れられない話をしてくれました。
「同じクラスの子が、学校のバルコニーから飛び降りようとしたんだ。俺が止めたんだよ。」
そう話す彼の手は、まだ震えていました。
「その子、死にたいって言ってた。自分が死ななきゃ、人を殺しちゃうって。」
――あまりにも重い言葉に、私は息をのみました。
その子は普段、活発で明るく、特別問題があるようには見えないそうです。
でも、4年生になってからよく泣くようになったと聞きました。
家庭も穏やかで、弟は多動症のため特別支援クラスで学んでいるとのこと。
一見“普通の家庭”でも、心の中で何かが起きているのかもしれません。

調べてみると、小学生の自殺は年間に十数件程度。数としては少ないですが、年々「低年齢化」が指摘されています。
「死にたい」や「人を殺してしまうかもしれない」という発言は、単なる冗談ではなく、心の限界サインです。
その子の親戚である男の子は、すぐに先生へ報告したそうです。
その判断は本当に正しかったと思います。
こうした発言は絶対に軽視してはいけません。
たとえ一度きりでも、真剣に受け止める必要があります。
子どもの心が追い詰められているとき、まず大人がすべきことは「話を聞くこと」。
そのときに大切なのは、“否定も非難もせずに受け止める”姿勢です。
「どうしたの?」「そう思うほどつらいんだね」と共感的に声をかけることで、子どもは安心して心を開きます。
必要であれば、専門家に相談することも大切です。
スクールカウンセラーや児童精神科など、早期にサポートを受けることで救われる命があります。
大人の「ちょっと気になる」が、命を守る第一歩になるのです。
思い返せば、私の息子も小学校3〜4年生の頃、「俺、死んでやる!」と怒りにまかせて言ったことがありました。
その瞬間、私は涙が止まらず、「ママが一生懸命に産んだんだよ、そんな悲しいこと言わないで」と必死に伝えたのを覚えています。
幸いそれは一過性のものでしたが、「死」という言葉を口にする子どもには、それを言わずにいられないほどの苦しさがある。
そのことを、今の私たちはもっと理解しなければならないと感じます。
「話してくれてありがとう」
――まず、その一言から始めたい。
それだけで、子どもは「自分の気持ちを受け止めてくれた」と感じ、心が少し軽くなることがあります。
見えないSOSを見逃さず、話せる環境を整えること。
それが、私たち大人の最も大切な役割だと思います。
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