母の笑顔が戻った日。90歳の母と病室で交わした思い出話
2025.07.16 Wedあなたは、大切な人と心が通じ合えた瞬間を覚えていますか?
今日は、私にとってこの半年で一番嬉しい日でした。病院へ見舞いに行くと、長い間腫れていた母の右足のむくみがひき、これまで朦朧としていた様子が嘘のように晴れやかになっていたのです。
言葉をかけると、はっきりした返事が返ってきます。周りの状況にも興味を示し、まるで前の母が戻ってきたようでした。
保湿クリームを持参して、母の手足をゆっくりマッサージしながら、たわいもない会話を重ねました。耳が遠くなっているので内容は簡単なものばかりですが、それでもちゃんと会話が成り立ち、母の言葉もとてもシャープでした。
左手の薬指の指輪を見て「これどうしたの?」と聞くと、「基弘さんからもらったのよ」と、亡き父の名前を口にしながらニコッと笑う母。その笑顔があまりにも優しくて、「お父さん、ハンサムだったし、お母さんのことが大好きだったものね」と返すと、また嬉しそうに微笑んでくれました。

(2003年12月父の叙勲を祝って)
そんなひとときが、胸にしみるほど愛おしく感じられたのです。
今年90歳になる母は、私が小さい頃から英語の歌を教えてくれました。意味などわからないまま、ただ母の歌う声を真似して一緒に歌った記憶があります。寝る前に布団の中で聞かせてくれたさまざまな話や、アメリカの話は、幼い私の心にアメリカンドリームをしっかりと刻みました。
振り返れば、母の影響がなければ留学も国際結婚も選ばなかったでしょう。おそらく父の願い通り、学校の先生になっていたはずです。
帰り際、走馬灯のようにそんな思い出が頭に浮かびました。
(
「もっと元気になって、少しでも長生きしてほしい」
病院を後にする時、涙が溢れそうになりながら心の中で願いました。
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